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日本で3教本を出版していただける出版社を探しています。ぜひご協力ください。

ご連絡は、著者カール-ヨーアン・フォッシュcjf@pianomedia.se、
あるいはストックホルム在住の荒瀬 響 kyo.arase@hotmail.se にお願いいたします。

東京ピアノ調律アカデミーのLeksand訪問(2004)

カール-ヨーアン・フォッシュ/著

荒瀬 響 /訳

2004年秋、数日間にわたり私たちLeksandのピアノ技術者養成コースは東京からのゲストを迎えた。その経過は以下のようであった。

 

2004年夏のこと、私はStockholmにあるスウェーデン日本協会(Sweden-Japan Foundation)から、東京ピアノ調律アカデミーの校長・稻江榮一氏、非常勤講師・畠俊夫氏および学生の訪問を受け入れてくれないかとの依頼を受けた。

 

東京ピアノ調律アカデミーは、ヨーロッパでの研修旅行をスウェーデン唯一のピアノ技術者養成コースであるLeksandのわが校訪問で締めくくりたいとのことだった。私たちはもちろん大歓迎し、訪問の予定は2004年8月となった。

 

まず事前にスウェーデン日本協会がLeksandでの日程を立てるように要請してきたため、提案を提出し、その後学生たちの訪問前に協会の方から視察が行われた。彼らによると、学生たちはおよそ20人で、いくつかのピアノ製造工場や学校を回っていたそうだ。彼らの訪問にあたっては、さまざまな作業過程をわが校の学生たちの指導のもとに試してもらうことにした。また互いにコミュニケーションができるように、当時わが校でスウェーデン語とテキスタイルを学んでいた荒瀬 響を含む計二人の通訳を雇うことになった。

 

実習活動は、私の記憶が正しければピアノ調整、ベース弦の回転、フランス式研磨かつハンマーヘッドの研削の四か所で行われ、それぞれの活動に小グループであたってもらった。このことによってすべての学生に私たちがどのように各過程を進めているかを体験してもらうことができた。

 

夜には作業場で夕食会を催した。話題はピアノと教育だけに限らず、また両国の学生によるパフォーマンスもあった。それぞれの教員たちも教育課程の話し合いをすることができ、私自身はその際にピアノ調律教本を紹介する機会を得た。畠俊夫氏はそれらの教本を手に取り、これらをぜひ訳して日本で出版したいとおっしゃった。彼に見せた教本は、私たちが唯一コミュニケーションとして使っていたドイツ語で書かれていた。彼はドイツで5年間にわたり数か所のピアノ製造工場で学び、職と言語の両方を身につけていた。畠氏が黒本「アップライトピアノとグランドピアノの修理」を翻訳し始めたことで、私たちのやり取りは続き、彼からの質問には、e-mailでできるだけ答えるよう努めた。

 

現在、「アップライトピアノとグランドピアノの修理」、「アップライトピアノとグランドピアノのメカニック調整」、「アップライトピアノとグランドピアノの調律」の 3教本すべてが畠俊夫氏によって日本語に訳されている。残された作業は、最近連絡を取り合うようになった日本のピアノ調律工具販売会社から本を印刷・出版することのみである。

 

なお、東京ピアノ調律アカデミーの学生たちの訪問・交流は、SöderhamnにあるKlaverens Husという、スウェーデンの弦を持った歴史的鍵盤楽器を展示するミュージアムで締めくくられた(http://www.klaverenshus.se)。

 

 

なくてはならない、3教本
ピアノ技術者のための3教本、その著者について:

Carl-Johan Forss
なくてはならない、3教本

教本の著者であり、教師でもあるCarl-Johan Forssは1939年、音楽にあふれた一家に生まれる。船員として数年働いた後、スウェーデンStockholmのピアノ技術学校に入学、1960年卒業した。数ヵ月後にはイギリスのRoyal College of Musicも卒業、翌年Christinaと結婚。2011年に結婚50年を迎えた二人には、3人の息子がある。1979年、ノルウェーでピアノ技術の教師として働きはじめる。

教本の誕生は、このように始まった。講義での理論的資料に欠けたことで、Carl-Johanはピアノ技術職の本をつくることに興味を示した出版社に連絡をとった。それが結果として、計2000ページにも及ぶ本5冊になる。最初の本は執筆に4年がかかった。内容は学生とともに作業が進められ、講義中に試行された。各章は教材を高めるために学習課題で締めくくられている。スウェーデンに戻る前、Carl-Johanは方法教育学の講師に昇進した。

Leksandにあるスウェーデンのピアノ技術者養成コースは東京ピアノ調律アカデミー(稻江榮一校長、畠俊夫非常勤講師)をはじめとする多くの訪問を受けた(東京からの訪問に関しては、次ページに詳しく記載)。畠俊夫氏は、後にCarl-Johanの本を日本語に翻訳することになる。

Carl-Johanの本は弦を持った鍵盤楽器、アップライト、 グランドピアノを扱っている。教育学的で、作業のさまざまな工程を白黒とカラー写真で描写している。これはヨーロッパではその分野で唯一のものであり、アップライト、 グランドピアノがどのように修理されるか、さまざまなメカニックがどのように修理されるか、楽器がどのように調律されるかについて徹底的に述べられ、ピアノの中に隠された技術の探求を望む学生、アマチュア及びプロの音楽家の方を対象にしている。

アップライトピアノ・グランドピアノはどのように調律するのでしょうか?
-答えは「アップライトとグランドピアノの調律」にあります。

教本「アップライトと グランドピアノの調律」は、ピアノ技術者のための3教本の第一巻にあたり、自主学習に大変適しています。我々が普段接している現代ピアノ調律法までに至る長い歴史的変遷について、また理論・実技両面から「どのようにピアノ調律を学ぶべきか」を理解しやすく述べています。さらに調律に適した工具の提案、音程,聴覚,聴覚を保護する方法,音響学,室内音響学,楽器音響学,弦設計などについても述べています。各章末には、復習のための練習問題が用意されています。
英語、ドイツ語、ロシア語またノルウェー語で出版されており(ノルウェー語は完売)、英語版は約200のイラストを含んだ488ページになっています。

日本語版も翻訳されていますが、出版に関しては www.pianomedia.se にお問い合わせください。

アップライトピアノ・グランドピアノのメカニックはどのように調整するのでしょうか?
-答えは「アップライトと グランドピアノのメカニック調整」にあります。

教本では、どのようにアップライト-グランドピアノのメカニック調整を行なうべきかを一つ一つ丁寧に示しています。文章と600枚以上のカラー写真によって複雑な技術的詳細を理解しやすく示しており、自主学習に大変適しています。基準としての試し調整・メカニック位置・ハンマーレットオフ調整・ハンマー打弦・ナッハドロック(アフタータッチ)・鍵盤の自重落下調整・ヴォイシング(整音)などの実技的内容について詳しく述べ、さらに教本の最終章では、様々なメーカーのアップライト-グランドピアノの調整寸法に関する十分な資料も示されています。各章末には、復習のための練習問題が用意され、また全体として技術史的変遷もとらえています。
英語、ドイツ語、ロシア語またノルウェー語で出版されており、英語版は565ページになっています。

日本語版も翻訳されていますが、出版に関しては www.pianomedia.se にお問い合わせください。

アップライトピアノ・グランドピアノはどのように修理するのでしょうか?

-答えは「アップライトと グランドピアノの修理」 にあります。

ピアノ技術者のための基礎的入門書である本書は,第一章でアップライト-グランドピアノの歴史的変遷について述べています。全体としてはアップライト-グランドピアノのメカニック(アクション)と音響部分などの修理に焦点を絞った内容で,響板や駒の修理法、巻線製作,張弦法,破損したハンマーシャンク・フレンジ・鍵盤の修理法・ハンマーヘッドの交換方法などについて容易に理解できるようになっています。教本全体にわたって技術的情報が掲載されており,また材料や作業工程について述べた章も含まれています。各章末には、復習のための練習問題が用意されています。
英語、ドイツ語、ロシア語またノルウェー語で出版されており(ドイツ語版は完売)、多数の技術的スケッチと白黒とカラー写真を掲載、英語版は512ページになっています。

日本語版も翻訳されていますが、出版に関しては www.pianomedia.se にお問い合わせください。

連絡先
Are you interested in having the books in your language, please contact author, cjf@pianomedia.se

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